少年が二人、少女が一人


三人の子供が、向日葵の咲き乱れる山道を歩く

二人の少年は高い段差…ちょっとした崖を助走を付けて登った

少女は怖くて登れず下から二人に「怪我しないでね!絶対よ!」と、
少し泣きそうな声でずっと叫んでいる

二人の少年はそれを聞いているのかいないのか、
登りきって流すように「大丈夫」と言ってすぐ少女とは反対方向を見る

少女の居る位置からは当然何も見えず、「何が見える?」と聞いても、
ちゃんとした返事が返ってこない

心配した面持ちで高いところにいる二人を見ていた少女だが、
何かに気づいたのかふと横を向いた

そこには緑色の長髪が特徴的な女性が立っていた

少女はジッとこっちを見ていた女性が気になり少し首を傾げた

が、少しして女性は静かに何処かへ去っていった…




間もなくして、日本に戦線布告したブリタニアに日本は敗北…
名も、何もかも奪われ、その日から“日本”は“エリア11”となった…




戦争に巻き込まれた三人の子供は、すっかり荒れ果ててしまった地に
並んで座っていて…少女は先ほどからずっと涙を流している

突然一人の少年が立ち上がり、幼いながらもしっかり意思を持った目と言葉でこう言った


「僕は…、スザク、…、僕は、ブリタニアを打っ壊す!!」


スザクと呼ばれたもう一人の少年は険しい表情になり、
と呼ばれた少女は涙を流しながらも驚いた表情をする
少女は何かを言いたげだったけれど、泣きながら驚いているという精神不安定な状態だったため
ただただ目を見開いて、ブリタニアを打っ壊すと言った目の前にいる少年を見るだけだった…












この日から彼らの戦いの歯車は、勢いよく廻り始めた



08/03/24

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